2003年 「アクアテラ」「アプネアマイヨール」誕生
2005年 「プラネットオーシャン」誕生
2007年 自社開発ムーブメント「Cal.8500/8501」を発表
2011年 世界最大の時計見本市・バーゼルフェアで「Cal.9300/9301」を発表
2018年 シーマスター70周年記念モデル「シーマスター 1948 リミテッドエディション」誕生
深海からビジネスシーンまで
2000年代に入っても新たなモデル開発に余念はありません。
2003年に誕生したアクアテラは、ジャック・マイヨール氏愛用だった「シーマスター120」
の後継モデルで、防水性能が150mにグレードアップした一方でケースは薄型になり、
スタイリッシュなデザインへと変貌を遂げました。
そのため、ダイバーウォッチであるにもかかわらずドレスウォッチとしての使用も
可能となり、ビジネスシーンでも広く愛用されています。
アクアテラ誕生の年に、同じくジャック・マイヨール氏と深い関係の時計がもう1つ誕生しています。
「アプネアマイヨール」です。
実は1995年から続いたジャック・マイヨール限定モデルがあったのですが、彼の逝去の翌年、
2002年に終わりを迎えます。
しかし、生前に依頼していたモデルがありました。
それまでの文字盤を変更しただけの限定モデルとは異なる特別な仕様だったため
「アプネアマイヨール」の名を冠して登場したのです。
マイヨール氏のアイデアで搭載した「アプネアカウンター」が特徴で、
一目で潜水時間が把握できる、まさにダイバーのための機能です。
「アプネア」はラテン語で呼吸停止を意味し、文字盤の7つの円が無呼吸で
生存できる限界といわれる7分を瞬時に伝えます。
このように1948年から数々の偉業や偉人と歴史を紡いできたシーマスターは、
2005年に「プラネットオーシャン」という到達点にたどり着きます。
600m防水に加え、自動巻きクロノメーター、コーアクシャルムーブメントと
いったハイスペックながらデザイン性にもこだわったモデルです。
初代モデルで使用したオレンジトーンは有名で、カラーバリエーションが増えた
現在もプラネットオーシャンのアイコンカラーになっています。
進化するオメガのムーブメント
近年のオメガは、新技術の開発にも意欲的です。
2007年には30年ぶりとなる新型ムーブメントを、
2011年には6年かけて開発したクロノグラフ搭載のコーアクシャル・キャリバーを発表しています。
2011年発表の「Cal.9300/9301」は、「プラネットオーシャン」に搭載され、
時差の修正に便利なタイムゾーン機能や60時間のパワーリザーブなどが話題になりました。
また、2015年ごろには、名実ともに世界最高クラスと認定された証である
「マスター クロノメーター」の称号も得ました。
スイス連邦計量・認定局(METAS)の品質規格で、機械式時計の性能に多大な影響を及ぼす
耐磁性能を始め、いくつもの厳しい審査基準を設けています。
シーマスターは、マスタークロノメーター制定前から基準をクリアする
ムーブメントを採用しており、スイス公式クロノメーター検査局(COSC)
認定キャリバーを「プラネットオーシャン」を始めとするシーマスターシリーズにも搭載しています。
なお、2019年には冒険家ヴィクター・ヴェスコヴォ氏らによる、
世界初の五大洋の最深部への有人探査のパートナーとしてプロ仕様のダイバーウォッチ
「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」が採用され、
マリアナ海溝の世界記録となる最深部10,925mの海域で優れた性能性を実証してみせました。
70年の歴史を振り返る限定モデル
2018年に70周年を迎えたシーマスター。
1948年製のシーマスターをベースにした記念モデル「シーマスター 1948 プラチナ センターセコンド」
と「シーマスター1948 プラチナ スモールセコンド」には、
70周年記念ロゴに加えて、ボートとジェット戦闘機が描かれています。
シーマスターが誇る防水性と、軍用として採用された歴史に由来するもので、
70周年にふさわしいデザインといえます。
1948年の登場以来、歴史的瞬間から何気ない日常まで、
世界中のさまざまなシーンで活躍してきたシーマスターの進化は今も続いています。
80周年、100周年に向けてその価値はますます高まるのではないでしょうか。